食育は事業になりますか?

「食育は事業になりますか?」

という質問をよく受けます。

 

この質問に対する答えは、とてもシンプルです。

 

すなわち、

 

「内容しだい」

ということです。

 

食育に限らず一般的に言える「法則」のようなものですが、

(1) 需要があり、「お金を払ってもよい」と人が思うものは、事業になります。

(2) 需要がないものは、事業になりません。

 

ところが、上記に加えて

「食育に独特の事情」

というものがあります。

 

食育の場合、(1) (2) のほかに

 

(3) 需要があるにも関わらず、「お金を払ってもよい」と人が思わないものがあり、それは事業になりません。

 

たとえば、

自治体や政府が、税金でやっていること

NPOなどがボランティアでやっていること

がこの (3) に該当します。

 

つまり、自治体や政府やボランティア団体などがやっていることと同じようなことをしても、人はお金を払いません。

これは当然のことのように思いますが、意外に見落とされている大事なことです。

 

「食育は事業になるの?」

と疑問を感じている人の大部分は、自治体やボランティア団体と同じようなことをしているため収入にならず、苦労が多く、その結果、

「食育は事業にならない」

と愚痴っているのです。

 

事業にしたかったら、自治体やボランティア団体と大きく違うことをしなくてはなりません。

そういう食育活動や食育商品を考えることが必要です。

では、どうしたらよいのでしょうか?

 

 ▽ ▽ ▽

 

この質問に対する答も、とてもシンプルです。

すなわち、

「自治体や政府やボランティア団体などがやっていることと大きく違うことをする」

ということです。

 

問題は、自治体や政府やボランティア団体などは、

「人がすぐに思いつくような食育活動」

なら、すでにだいたいやってしまっている、という点でしょう。

簡単に思いつくようなことは、すでに誰かがあちらこちらで「安く」やっている。

それと同じことをしても、事業にはなりません。

 

人が思いつかないような新しいことを、思いつく必要があります。

 

とはいえ、ノーヒントでそのような「発明」に近いことをするのは、容易ではありません。

情報をインプットしないまま、必死でアウトプットしようとしても、考えても考えても、良いアイデアはなかなか出てこないものです。

 

しかし、目を海外に向けてみましょう。

すると、いきなり展望が開けます。

じつは、欧米は「食育事業の宝庫」です。

 

日本にいては思いつかない食育事業のアイデアや事例が、たくさんあります。

しかも欧米は、日本に比べ格段に起業しやすい風土・社会制度になっているため、失敗を恐れずにさまざまなチャレンジがなされています。

食育事業についても、数多くの成功や失敗の実例があります。

それらを観察するだけでも、アイデアは大きく膨らみます。

 

例をあげると、

たとえばイギリスには

「社交の場、接待の場として」

ビジネスマンをターゲットにした料理教室があります。

これはベンチャー企業がパリで始めたものですが、急成長し、金融都市ロンドンに本拠を移すまでになっています。

 

また、アメリカには、各地の家庭菜園を回って栽培指導をする

「フリーランスの農業指導者」

という職業があります。

この人たちを束ねて組織化し、農業者の収入の安定に貢献している会社があります。

 

同じくアメリカですが、

「賞味期限が短くなった商品だけを集め、貧困地域で安く販売する食品店」

が誕生しています。

ただしこれは、近隣住民からは歓迎されておらず、課題を抱えています。

 

ヨーロッパでもアメリカでも、「レシピを事業化する」という試みは盛んに行われています。

たとえば、

「品物ではなく、レシピを販売する食品店」

という事業も誕生しています。

こうした海外の事例をヒントに、日本での食育事業を考えるのが、

「人がすぐに思いつくような食育活動」

から脱却するための、お勧めのやり方です。