「中食」と「内食」の中間のビジネス

この業界(=食に関する業界)には
「内食」
「外食」
「中食」
という専門用語があります。

「内食」は、 家庭で食事をすることです。

「外食」は、 家の外(たいがい、飲食店)で食事をすることです。

かつて、ほとんどの人は家庭内で食事をしていましたね。
つまり「内食」です。

食育に関わっていると、
 「現代の食は乱れている。 家庭で食事をしなくなったのが最大の原因だ。だから家庭に回帰せよ」
という主張の強い人に ときどき出会います。

 ▽ ▽ ▽

社会が物質的に成熟してくると、 人々は飲食店で食事をすることが増えました。
つまり「外食」です。

外食産業は日本の経済が発展するのに歩調を合わせて発展しました。
働く女性が増え、「専業主婦」が減ってきたことにあわせ、 外食産業が伸びたのです。
その結果、外食が日常化しました。

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しかしそうなったとき、たぶん人々はこう思ったでしょう。
 「外食ばっかりじゃ疲れるなあ。お金もセーブしたいし。でも今さら家で毎日食事を作るっていうのも、ちょっとね…」

以前と違い女性が働くようになると、 家庭で食事をするのも大変です。
調理そのものを家庭ですべて行うのも大変ですが、献立を考えなくちゃ いけないのも大変ですね。
そんなことはやってられません。
しかも、多くの男性は残念ながら こうした家事労働になかなか積極的になってくれません。

だから「外食」に走ったわけですが、 「外食」ばかりというわけにも いかなくなった。
そこで、「中食」が発展しました。

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「中食」は、惣菜を買い、家で食べることです。
 「内食」と「外食」の中間です。


この流れは日米共通です。
アメリカでは「中食」のことを
home meal replacement(ホームミール・リプレイスメント)
assembly cooking(アセンブリー・クッキング)
などと言ったりします。

 

仕事・家事・育児すべてを抱え、分刻みで奔走する現代アメリカ人(のうちの都市生活者)が、惣菜を手早く買い、帰宅後に家族の夕飯を整える。

そんな感じの言葉です。

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ここまでを図にすると、こうなります。

さて、「中食」は「内食」と「外食」の中間というわけですが、アメリカでさらに「内食」と「中食」の中間みたいな業態が生まれているので ご紹介します。

meal preparation(ミール・プリパレーション)
meal assembly kitchen(ミール・アセンブリー・キッチン)
などと呼ばれています。

つまり、図の矢印の ポジションになります。

meal preparation(ミール・プリパレーション)
meal assembly kitchen(ミール・アセンブリー・キッチン)
と呼ばれるサービスの中身は こんなふうになっています。

まず、その会社のウェブサイトに アクセスします。
 「店舗を選んでくれ」
と言われるので、 都合のよい場所にある店を選び、クリックします。

「メニューを選んでくれ」
と言われるので、お好みのメニューを選びます。

「日時を選んでくれ」
と言われるので、 都合のよい日時を選んで クリックします。

申込完了。
インターネットでの操作はここまで。

選んだ日時に合わせて選んだ店舗に出かけます。
そこはキッチンになっており、食材がきちんと並べられています。
インストラクターがあなたを待っています。
あなたはインストラクターの指導に従ってそこで料理を作ります。
ウェブサイトで選択したメニューを作るわけです。

「あとは家で焼くだけ」
「温めるだけ」
の状態まで作り、自宅に持ち帰ります。

「お客」はあなただけではなく複数いますので、みんなでワイワイ作ります。

このサービスのメリットは、

  • 食材を自分でそろえる手間が省けます。
  • 料理したあとの片づけがいりません。
  • インストラクターが指導してくれますので、けっこうハイレベルな料理が作れます。
  • 大勢で和気あいあいと作る料理教室的な楽しさもあります。

また、「中食」と違い、
「子どもに家庭料理を食べさせてあげてる感」
を、アメリカ人はこうしたサービスに対して感じるようです。
ある意味、罪悪感を減らしているのでしょう。

このタイプの店が、日本にすでにあるのかどうかよく分かりません。
ご存じの方がいたら教えてください。

アメリカではそこらじゅうに出来ております。
需要も大きいがライバルも多く、まるで戦国時代です。

 

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