食べものに点数をつけるビジネス PART-1

アメリカには、
「食べものに点数をつけるビジネス」
が存在しています。

食品に点数をつけて、 生活者が食品を選びやすくする。
→そういう点数のしくみを開発すれば、 食品会社からお金がもらえる。

ということです。

ひと口に「食品に点数をつける」
といっても、

  • 健康に役立つ度合いを点数にするのか
  • フードマイレージや地産地消の度合いを点数にするのか
  • 美味しさを点数にするのか
  • 安全を点数にするのか

さまざまな切り口がありそうです。

人間でいうと…。
有名大学を卒業しているからといって必ずしも優れた人であるとは限りませんし、
有名大学を卒業していなくても、世の中の役に立つ素晴らしいことをしている人は大勢います。

つまり、「有名大学」という切り口は、いろんな切り口のほんの1つにすぎません。

「食品に点数をつける」
ことも同様です。
どれか1つの切り口で良い点を取っても、他の切り口で良い点が取れるとは限りません。

たとえば、バナナは栄養豊富な果物だと言われます。
しかしほとんどのバナナは海外(中南米や東南アジア)から運ばれてくるので、フードマイレージは大きい。
そんなバナナを「地球に優しいことが大切だ」と考えるアナタは、食べるべきなのか、食べてはいけないのか。

難しいですね。

そういう難しさがあるのですが、それはそれとして、

「食品に点数をつける」
にはどんな例があるのか、いくつかご紹介します。

 

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まずは、「ウェイト・ウォッチャーズ」。

アメリカで有名なダイエット法の名前なのですが、同時に会社の名前でもあります。
誕生(創業)してから半世紀近くになるという、由緒ある会社です。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場しています。
僕の知るかぎり、ダイエットの会社で株式上場している会社(=上場会社)はここだけなのではないでしょうか。

ウェイト・ウォッチャーズはある数式を使って食品に点数をつけています。

カロリー

  • 脂肪の量
  • 食物繊維の量

を使った、少々複雑な数式です。
なんと彼らはその数式で特許を取りました。

ウェイト・ウォッチャーズの会員になると、この数式を与えられ、計算をしながら食品を選んでいくわけです。

食べたものの合計点がある水準を超えないように、管理していきます。

そうやって、体重というかBMIを落とします。

ウェイト・ウォッチャーズは

  • スパーマーケットで売られているいろんな食品
  • 全国チェーンのレストランで出てくるメニュー
  • マクドナルドやウェンディーズで売られているメニュー

などに点数をつけ、会員に発表しています。
また、独自のレシピを開発し、点数をつけて会員に発表しています。

 

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次は ORAC (オラックまたはオーラック)。

 

体内に「フリーラジカル(活性酸素)」と呼ばれるものが増えると、体が酸化すると言われています。

要は、体がサビるわけです。

体が酸化する(サビる)と老化が進むと言われています。
というわけで、老化を防ぐためには「フリーラジカル」を減らさなくてはなりません。
このことは、健康に興味のある方ならたいがいご存じと思います。

 

「フリーラジカル」を減らす物質のことを「抗酸化物質」といい、たとえば

  • ビタミンC
  • ビタミンE
  • コエンザイムQ10
  • オレイン酸

などが「抗酸化物質」に該当します。

さて、食品によっては この「抗酸化力」が強かったり、弱かったりします。

 

ORAC とは、食品の「抗酸化力」を測る指標です。

アメリカで開発されました。

日本ではまだあまり普及していませんが、アメリカでは食品メーカーが自分のところの商品の ORAC をさかんに測定し発表しています。

測定した結果、よい数字だったら売上が伸びると思っているからです。

ちなみに、ORAC の値の高いお菓子はチョコレート。
野菜だったらアーティチョーク。

それから豆類。

果物だったらベリー類。

このへんが ORAC で見た場合の優等生のようです。

 

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最後は、ONQI。

読み方はよく分かりません。

特に凝らずに、「オー・エヌ・キュー・アイ」と読むのがいいように思います。

 

ONQI は、食品に100点満点で点数をつけようという米国のプロジェクトです。

タンパク質・炭水化物・脂肪・ビタミン・ミネラル・食物繊維・フィトケミカルなど30種類の要素を勘案し、100点満点で評価されます。

5年ほど前にプロジェクトが始まりました。

科学者や医師・栄養士などが集まって「点数化」が進められています。
忙しい買物客のために、食品のヘルシー度がひと目で分かるようにしよう、というのが、このプロジェクトの目的です。

この評価法によると、こんな点数がつけられています。

 

  • イチゴ:100点
  • ホウレンソウ:100点
  • オレンジ:100点
  • リンゴ:96点
  • バナナ:91点
  • 大西洋産のシャケ:87点
  • アーモンド:82点
  • ホタテ:51点

 

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以上、3つの「食品に点数をつける」アメリカの事例を紹介しました。

お気づきかもしれませんが、3つとも、「栄養成分にフォーカスして」点数をつけていますね。
栄養成分だけって、何となく「片手落ち」な感じがしませんか。

われわれ日本人がもし同じようなことをやろうとしたら、栄養だけでなく

  • フードマイレージや地産地消
  • 郷土の食文化を理解するのに役立つかどうか
  • 農業を応援するのに役立つかどうか

など、いろんな要素を勘案して点数をつける のではないでしょうか。
(そんなことが可能かどうかは別として)

これは日本とアメリカの「食育」の違いにも起因しています。
日本の食育にはさまざまな概念が含まれていますので、単純に「栄養」では終わりません。
これに対し、アメリカでは、食育というともっぱら「栄養」がテーマになります。

食料自給率の高いアメリカでは、あまり農業の活性化とかフードマイレージとかをうるさく言う傾向がありません。

なので、食品に点数をつけるときも、アメリカでは「栄養」に焦点が当たるわけです。