ケーキミックスの心理学

 

ケーキミックスがアメリカで初めて販売されたのは第2次世界大戦のころ、1940年代ですが、発売当初はほとんど人気がありませんでした。

パイを作るための粉やスコーンを作るための粉はかなり売れていたにもかかわらず、ケーキミックスは売れませんでした。

その理由は、ケーキはパイやスコーンに比べて「特別な料理」であり、水を加えるだけのケーキミックスではあまりにも簡単すぎて

「特別な料理を作っている気がしなかった」

からだそうです。

そこである心理学者が、意図的にケーキミックスから乾燥卵を取り除いて販売することをメーカーに提案しました。

すなわち、あえて不完全なケーキミックスにし、卵を加えるという「手間」をわざわざかけなければならないようにしたのです。

 

すると。

この不完全なケーキミックスは、爆発的に売れました。

 

 ▽ ▽ ▽

 

「ひと手間が必要なように、わざと不完全な商品にする」

という考え方は、ほかにも応用できます。

  • meal preparation(ミール・プリパレーション)
  • meal assembly kitchen(ミール・アセンブリー・キッチン)

と呼ばれる食育ビジネスが現在アメリカで人気ですが、これも似たような現象だと考えられています。

 

このビジネスは、仕事帰りのお母さんが料理教室に立ち寄り、今夜のおかずを作って持ち帰るというものですが、9割はすでに料理教室のほうで仕込んであり、お母さんは最後のひと手間をすればよいようになっています。

 

忙しいお母さんには、家族のために食事を用意する時間がなかなか作れない。

だからといって、外食や宅配料理に依存すると、罪悪感を覚えてしまう。

そこで、ちょうどよい具合のサービスが求められました。

「ひと手間」かけて家族のために料理を作った気分になれる…。

そのようなサービスです。

 

それが、

  • meal preparation(ミール・プリパレーション)

であり、

  • meal assembly kitchen(ミール・アセンブリー・キッチン)

でした。


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