北風のマーケティングと太陽のマーケティング

 

食育(食・健康・農業)に関わる方々の多くが、マーケティングを敬遠しているように思います。

人によっては、マーケティングを

「なんとなく邪悪なもの」

と無意識に感じているようです。

「欲しくないものを、あの手この手で、無理やり買わせてしまう」

そんな、ずるいセールスマンのイメージと重なるのかもしれません。

 

 実際、マーケティング、とくにマス・マーケティングを仕事にしている人のあいだで、こんな好戦的なセリフがしばしば交わされます。

「心理学をうまく使い、消費者の購買衝動を高めよう」

「タレントの○○を使ってCMを打てば、ターゲット層の購買率がアップする」

「市場シェアさえ取ってしまえば、あとは何とでもなる」

 

まるで、顧客を

「狩りの獲物」

「戦う相手」

「(共存する相手ではなく)ねじ伏せて言うことを聞かせる相手」

とでも考えているかのようです。

マーケティングがこんな乱暴な有様では、邪悪なものだと思われてもしかたがありません。

 

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しかし、これからのマーケティングの世界は、北風のような、猛々しく相手をやりこめるものではありません。

なぜなら、顧客が、そのような「厚かましい」やり方にうんざりしているからです。

好戦的なキーワードでしかマーケティングを考えられない時代遅れの人たちは、今後は顧客から煙たがられ敬遠され、やがて去っていくことになるでしょう。

 

これからのマーケティングで重要なのは、

「どれだけ深く顧客に信頼されたか」

「どれだけ強く感動や共感を感じてもらえたか」

です。

つまり、太陽のマーケティング。

どれだけ価値を認められたかということですね。

 

これは「競争」というより、「コンテスト」というべきでしょう。

市場という舞台のコンテストで、どれだけ顧客に愛されるかを切磋琢磨し競い合う。

そんな「正々堂々とした」コンテストで認められるために、マーケティングが使われるようになります。

 

「戦闘的な北風のマーケティング」の世界では、誰かが勝てば、誰かが負けます。

誰かが幸せになれば、誰かが傷つきます。

 

しかし「太陽のマーケティング、コンテストのマーケティングの世界」では、誰かが勝てば、ほかの人たちはその勝利をたたえます。

幸せになるために、誰かを傷つける必要はないのです。