規格外野菜の魅力を伝えるビジネス

野菜はもともと自然の生き物なので、大きさや形はさまざまです。

 

ところが商品となったとたんに「規格」「規格外」という区分ができてしまいます。

 

区分ができる理由は2つあります。

 

1つは、食べる側(生活者)が見た目のよい野菜をついついえり好みしてしまうこと。

 

形の良い野菜とそうでない野菜を店頭に並べて置いてみると、形の良いほうから先に

買われていきます。

 

形の良くないほうは、売れ残るわけです。

 

 

もう1つは、流通(物流)の面から、形や大きさがそろっているほうが運びやすい(効率がよい)こと。

 

形や大きさや不ぞろいだと逆に運搬効率が落ちます。

 

そういう、買う側・売る側それぞれの理由により、

「規格外野菜」

というものができてしまいます。

 

しかも、規格外野菜は捨てられることが多い。

 

生産されている野菜のなんと4割が、捨てられている、という報告があります。

 

スーパーの店頭では不揃いな野菜は売れ残りますが、

  • 加工食品の原料にしたり
  • 惣菜の材料にしたり
  • 飲食店の食材にしたり

という「業務用」にすれば、形や大きさは気にならないはずです。

 

むろん、そういうやり方で規格外野菜を捨てずに生かす努力は実際にも行われています。

 

それでも、大量の規格外野菜が捨てられています。

 

 ▽

 

そこで、志のある人は、この状況をなんとかしたいと考えるわけです。

 

食育活動のテーマの1つに

「食品廃棄を減らそう」

というものがありますが、

「規格外野菜を生かす」

も、このテーマに含まれます。

 

食育活動として人々がこテーマに取り組む場合、

「業務用にする」

という解決法はあまり選ばれません。

 

業務用にしてもあまり高くは売れず、生産者(農家)を応援することにならないからです。

 

食育活動をする人は、

「生産者(農家)を応援したい」

という気持ちも強いので、できることなら、生産者(農家)が喜ぶ形でこの問題を解決したいのです。

 

つまり、スーパーの店頭で不ぞろいの野菜がまともな値段で売れるようなそんな工夫をしたい。

 

つまり、

「一般の人々(生活者)が規格外野菜を喜んで買うためにはどうしたらよいか?」

ということを考えます。

 

しかし、言うは易く行うは難し。

 

どうしたらよいのでしょうか?

 

 ▽

 

最近、アメリカではあるキーワードを使って規格外野菜が売れる状況を作る、という工夫が行われています。

 

あるキーワードとは、

「エアルーム」。

 

もともと

「エアルームトマト」

という言葉がありました。

 

「伝統的に栽培されている、不ぞろいなトマト」

のことを指す言葉です。

 

エアルームトマトには種類が多く、大きさ、形、色、味わいもさまざまです。

 

その豊富なバリエーションが面白いということで、アメリカの野菜直売所での人気アイテムになっています。

 

しかも、不ぞろいなところ、変な形をしているところがかえってカワイイということで注目を浴びています。

 

そうなると、豊富なバリエーションにあわせてさまざまなレシピが求められてきますが、レシピを考える料理研究家の人たちにとってもエアルームトマトのレシピを作るのは想像力を刺激されるようで、いろんなレシピ、風変りなレシピがが誕生しています。

 

こうして

「エアルーム」

という言葉が浸透してきました。

 

そこで、不ぞろいなトマトだけでなく、それ以外の不ぞろいな野菜も

「エアルーム」

として販売しよう…。

 

そういう動きが出るのは予想できますね。

 

エアルームは単に不ぞろいなだけではなく、伝統野菜でもある、というのが本来の意味ですが、そこに一部、変更を加え、

  • 不ぞろいなところが魅力
  • 美味しさは変わらない

という特長を

「エアルーム」

という言葉にこめてマーケティングをする。

 

そういうトレンドが生まれつつあるようです。

 

 ▽ ▽ ▽

 

ところで、ヨーロッパでは2年前、すなわち2014年は

「不ぞろいな野菜を食べよう」

というキャンペーンが大々的に行われていた年でした。

 

「世界○○年」

「国際○○年」

という言い方がありますが、その一種で、

「欧州”不ぞろい野菜を見直す年”」

だったようです。

 

日本では、不ぞろい野菜の象徴として

「曲がったキュウリ」

がよく使われますが、

 

ヨーロッパではリンゴが不ぞろいの象徴の1つとしてキャンペーンに使われていました。

 

(リンゴは野菜ではないですけど)

 

 

(あわせて読む)エアルームトマトの流行