食育の専門家になるには

  •  「学校を出て就職し、定年までその会社で働き、定年後は悠々自適の余生を送る。あるいは途中退社して結婚して家庭に入る」そのような時代はもう終わったと言われています。
  • 平均寿命が延び、いまでは「人生100年時代」とされています。

こうした社会環境のもと、これからは「個の時代」。

個人として活動する生き方が求められています。

 

個人として活動するために、なんらかの専門性を持つのは良いことです。

たとえば、「食育」という専門性を持って活動するなど。

 

そこで今回は、「食育の専門家になる方法」について、考えてみます。

 

<目次>

  1. 食育の専門家とは
    1. 学校教育の場合
    2. 食育の場合
    3. 食育の科目(分野)
  2. 専門家になるには
    1. 中学・高校型
    2. 大学型
  3. まとめ

 

1.食育の専門家とは

食育の専門家となるには、まず

「食育の専門家とは、いったい何なのか」

を明らかにしておく必要があります。

そのヒントとして、学校教育と食育とを比較して考えてみましょう。

 

1-1.学校教育の場合

小学校では、1人の先生がクラス担任となり、オールマイティに国語も算数も理科も社会も全部やっていることが多いですね。

ところが中学や高校になると、科目別に先生が分かれます。

 

小学校では1人の先生がほぼすべての科目を教えているのに対し、中学校では国語・数学・理科・社会・英語それぞれに担当(=専門)の先生がいます。

高校になると、それがさらに細分化されます。

  • 国語→ 現代国語・古文・漢文
  • 理科→ 物理・化学・生物・地学
  • 社会→ 日本史・世界史・倫理社会・政治経済

というように。

これがさらに大学になると、ものすごく細分化します。

しかも大学の場合、それまでの国語・数学・理科・社会・英語という枠からはみ出ることが多くなります。

 

小学校の先生はオールマイティにすべての科目を教えるので、「専門家というより、教師」という印象になります。

一方、大学の先生の場合、細分化したテーマを深く掘り下げてるため、「教師というより、専門家」という印象のほうが強くなります。

 

1-2.食育の場合

同様のことが食育にも言えます。

食育活動をしている人についても

  • 小学校の先生のように、広く浅くすべて1人でこなす人
  • 専門を持ち、その分野を中心に活動する人

という違いがあります。

 

旧来型の食育はおもに小学校スタイルでした。

1人の講師がオールマイティに食育を教えようとしていました。

世の中には食育の講座がいくつもありますが、だいたいは小学校のように浅く広く学ぶようなカリキュラムになっているようです。

しかし実際には「食育」は幅の広い概念で、食育にはいろいろな科目(分野)があります。

あるレベル以上になると、1人の講師がオールマイティにできることではなくなります。

科目(分野)別に掘り下げていくことが必要になります。

 

 

このことから考えると、「オールマイティになんでもやる」というより、「テーマを深く掘り下げ、そこを中心に活動する」ほうが「専門家」らしいと言えます。

つまり、食育の専門家とは「幅広い食育のすべてを扱うのではなく、食育の中で専門科目(専門分野)を決め、それを深く掘り下げる人」ということになります。

 

1-3.食育の科目(分野)

前述したように、「食育」は幅の広い概念で、食育にはいろいろな科目(分野)があります。

食育総研では、食育の科目(分野)を以下の8つに定めています(※)。

  • 健康・栄養分野
  • 食文化・地域活性分野
  • 社会問題分野
  • 食体験・料理体験分野
  • サステナブル分野
  • 一次産業応援分野
  • 食の安全分野
  • 食卓提案分野

これをヒントに、専門科目(専門分野)を選ぶとよいでしょう。


2.専門家になるには

専門家になるには、

  • 専門科目(専門分野)を決める
  • そこを深く掘り下げる

この2つが必要だということが分かりました。

 

では専門科目(専門分野)を作るにはどうしたらよいでしょうか。

食育の専門科目(専門分野)の作り方には

「高校型」

「大学型」

の2種類があります。

 


2-1.中学校・高校型

中学校・高校の先生は、定められた科目の中から専門分野を選んでいます。

同様に、食育の場合は、前述した定番8科目のなかからどれかを選び、得意分野とするために掘り下げます。

 

8科目のうち、比較的掘り下げやすい分野は、以下です。

  • 食文化・地域活性分野
  • 食体験・料理体験分野
  • サステナブル分野
  • 食卓提案分野 

これらは掘り下げがしやすい代わりに、誰にとっても掘り下げやすいため、専門家の競合が起きやすいことに注意。

 

反対に、比較的掘り下げが難しい分野は、以下です。

 

  • 健康・栄養分野
  • 社会問題分野
  • 一次産業応援分野
  • 食の安全分野

これらは掘り下げが難しい代わりに、誰にとっても難しい分野であるため、専門家の競合が起きにくいという利点があります。

 

2-2.大学型

大学の先生は、1人1人がユニークな専門分野を持っています。

食育の場合も同様に、前述した8分野という「枠」にあてはまらない分野、ユニークな領域をみつけ、そこを徹底的に研究します。

 

(例)

  • 偏食を直す方法の専門家
  • プラントベース食の専門家
  • 産地直売所経営の専門家
  • 外国人に日本食を教える専門家

「競合がなさそうな分野」を探し、あるいはそういう分野を作り、その分野に思いきり詳しくなるわけです。

理にかなった戦略といえます。


3.まとめ

旧来型の食育では、1人の活動家が「広く浅く」食育を語っていましたが、専門家というより教師でした。

専門家になるには「広く浅く」ではなく「狭く深く」食育を掘り下げることが必要です。

「狭く深く」掘り下げるには、どこを掘り下げるのか(=専門分野)を決めなければなりません。

専門分野を決めるには

  • 定められた8科目の中から選ぶ(中学校・高校型)
  • 独自にユニークな分野を選ぶ(大学型)

という2つの方式があります。

 

 

(※)詳しくは以下の「食育活動スタートアップガイド」に述べられています。


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