プラントベース x 食育

近年、「プラントベース」という言葉が、食の世界でよく使われるようになってきています。

以前であれば「ビーガン」「ベジタリアン」という言葉を使って説明されていたものが、昨今では「プラントベース」という言葉を使って説明される形に置き換わってきています。

 

今回は、「プラントベース」という言葉の意味するもの、その将来性について、解説します。

<目次>

  1. プラントベースとは
  2. 「ビーガン」「ベジタリアン」との違い
    1. 由来の違い
    2. 指す対象の違い
  3. 食育への影響
    1. 食育にはメインストリートがある
    2. プラントベースは「メインストリート」に属する
  4. まとめ

 


1.プラントベースとは

プラントベースとは「植物性」を意味する言葉です。

近年、食の世界でよく使われるようになってきています。

 

食に限らず

  • 化粧品
  • 衣料品

などでも、植物性の原料で作られているものであれば「プラントベース」となります。

 

食の場合、「プラントベース」とは

  • 野菜
  • 果物
  • 豆類
  • 穀類
  • 種実類
  • キノコ類
  • 海藻類

などを意味します。


2.「ビーガン」「ベジタリアン」との違い

「ビーガン」「ベジタリアン」という言葉と「プラントベース」という言葉はどう違うのでしょうか。

世間一般としては「ビーガン」「ベジタリアン」と「プラントベース」とは同じように聞こえるかもしれませんが、実際には以下のような明確な区別が存在しています。

 

2-1.由来の違い

 

厳密さを犠牲にしてあえてシンプルに言うと、

「動物性のものを食べない」

「植物性のものを食べる」

この両者は、似ているようで意味が違います。

 

「ビーガン」「ベジタリアン」は、「動物性のものを食べない」という出発点から来ている言葉。

いっぽう「プラントベース」は、「植物性のものを食べる」という出発点から来ている言葉です。

 

結果的に似たような意味になっていますが、由来が異なります。

「血縁関係がないのに顔が似ている人」のようなものです。

 

 

2-2.指す対象の違い

多少厳密にいうと

「ビーガン」「ベジタリアン」は本来、食生活だけでなくライフスタイル全体を指す言葉です。

 

そのため、「ビーガンの人」「ベジタリアンの人」という「人」のことも「ビーガン」「ベジタリアン」と呼びます。

 

「わたしはビーガンです」「あなたはベジタリアンだ」

という表現が文法的にも成り立つのです。

 

これに対し、「プラントベース」は、「植物性のもの全般」を指すにすぎません。

ライフスタイルを示す言葉でもなければ、人を指す言葉でもない。

 

なので

「わたしはプラントベースだ」

という言い方にはならないのです。

文法的にも成立しません。

 

言語は変遷するので未来は分かりませんが、少なくとも現在のところ、「プラントベース」は、単純に「植物性のもの全般」を指すのみです。

 


3.食育への影響

3-1.食育にはメインストリートがある

医学は幅の広い学問で、

  • 西洋医学
  • 東洋医学
  • 各地の伝承医療
  • それらを組み合わせた統合医療

など、いくつもの「流派」があります。

しかしこの中で「メインストリート」とされているのは西洋医学です。

 

同様に、食育も幅の広い概念で、

「ビーガン」「ベジタリアン」「マクロビオティック」「オーガニック」

といった「流派」も大きくは食育の一部であると言えます。

しかしこれらは「食育のメインストリート」とはみなされていません。

食育のメインストリートは、あくまでも

  • 食育基本法に記載されている食育概念
  • 食育白書に記載されている食育概念

です。

食育のメインストリートでは、「バランスよく食べる」が重視されています。

  • 特定のものを選んで食べる
  • (その反対に)特定のものを避ける

という食生活は良しとされていません。

そのため、「ビーガン」「ベジタリアン」「マクロビオティック」「オーガニック」などは、「食育のメインストリート」とはみなされていないのです。

 

3-2.プラントベースは「メインストリート」に属する

前述のように、「ビーガン」「ベジタリアン」は

  • 動物性のものを食べない

という概念に由来しています。

つまり

  • 特定のものを選んで食べる
  • (その反対に)特定のものを避ける

という性質のものです。

 

一方、「プラントベース」は

  • 植物性のものを食べる

という概念に由来しています。

「プラントベース」の場合、動物性のものを食べるかどうかには関知しません。

すなわち

  • 特定のものを選んで食べる
  • (その反対に)特定のものを避ける

という性質はありません。

いわば、中立的な立場です。

「プラントベース」は、「バランスよく食べる」を重視する食育のメインストリートとは、矛盾しないのです。

 

このことから、「プラントベース」は今後、食育の中心的な考え方になっていくのではないかと考えられています。


4.まとめ

プラントベースとは「植物性」を意味する言葉で、近年食の世界で使われることが多くなっています。

世間一般としては「ビーガン」「ベジタリアン」と「プラントベース」とは同じように聞こえるかもしれませんが、実際には言葉の由来も違えば、意味する対象も異なります。

「ビーガン」「ベジタリアン」は食育の「メインストリート」には属していませんが、「プラントベース」はそこに属しています。

さらに今後、その中心的な考え方になっていくと考えられています。

 

 

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