講師 x 食育

食育活動にはさまざまなスタイルがありますが、そのなかでも典型といえるものの1つが「食育講師」という活動です。

今回は、食育講師について解説します。

 

 

<目次>

  1. 食育講師とは
    1. 狭義の食育講師
    2. 広義の食育講師
  2. 食育講師に必要な知識
    1. 食育全般についての広い知識
    2. 専門性の高い知識
  3. 知識の学び方
    1. 本で勉強する
    2. 講座やセミナーで勉強する
    3. その分野で仕事をする
  4. 食育講師の活動
  5. まとめ

 


1.食育講師とは

食育に関する講座は、各地で開かれています。

  • 学校現場で開かれるもの(※)
  • 自治体が主催するもの
  • ボランティア団体などが主催するもの
  • 企業が主催するもの
  • 個人で食育活動をしている人が主催するもの

など、形式はさまざまです。

そうした講座で、講師としての役割を担うのが食育講師です。

 

1-1.狭義の食育講師

食育は

  • 栄養の話
  • 農業や漁業などの話
  • 料理の話
  • 食文化の話

など、さまざまな概念がミックスしたものです。

これらをある意味「まんべんなく」組み合わせてカリキュラム化されたものが「狭義の食育」であり、学校現場での食育講座や、自治体が主催する食育講座などは、「狭義の食育」に該当します。

この「狭義の食育」を教える講師が「狭義の食育講師」です。

 

1-2.広義の食育講師

いっぽう、

  • 野菜について学ぶ講座
  • 栄養学の講座
  • スポーツ選手の食事について学ぶ講座
  • 発酵食品について学ぶ講座
  • オーガニックについて学ぶ講座
  • 食の安全について学ぶ講座
  • ブレインフードについて学ぶ講座

などは、テーマを絞って行われる、専門性の高いものです。

こうした講座を「食育」とみなすかどうかは意見が分かれるところですが、食育総研ではこれらを「広義の食育」として扱っています。

この「広義の食育」で、それぞれ専門的な話をする講師が「広義の食育講師」です。

 


2.食育講師に必要な知識

食育講師に必要な知識は、2種類あります。

  • 1つは、「狭義の食育」に必要とされる、食育全般についての広い知識(浅くてもよい)。
  • もう1つは、「広義の食育」に必要とされる、専門性の高い知識(狭くてもよい)。

前者(食育全般についての広い知識)だけでも食育講師はできます。

その場合、「狭義の食育講座」を「主戦場」にすることになります。

 

後者(専門性の高い知識)だけでも食育講師はできます。

その場合、「自身の専門性が必要とされる分野の食育講座」が「主戦場」になります。

 

どちらかに特化することももちろん悪くありませんが、

  • 食育全般についての広い知識を持ったうえで、専門分野を選んで深く掘り下げる
  • 専門性の高い知識を持った状態で、食育全般についての広い知識をあらためて習得する

ということができれば、食育講師としての価値も上がるでしょう。

 

2-1.食育全般についての広い知識

食のことをほとんど何も知らない人に対し、以下のことをひととおり説明できれば、「狭義の食育」の講師ができます。

  • 5大栄養素(炭水化物・タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラル)について
  • 現代日本人の食生活のどこが良く、どこが悪いのか
  • 現代の日本の農業が抱えている問題
  • 日本の食料自給率について
  • 日本食のマナー
  • 日本のおもな食文化について

 

2-2.専門性の高い知識

  • 野菜
  • 栄養学
  • スポーツ選手の食事
  • 発酵食品
  • オーガニック
  • 食の安全
  • ブレインフード

など、食のテーマはいろいろありますが、そのなかからテーマを選び、深く掘り下げることで、専門知識が得られます。

 


3.知識の学び方

食育講師としての知識を獲得するには、

  • 本で勉強する
  • 講座やセミナーで勉強する
  • 体験する
  • その分野で仕事をする

などの方法があります。

 

3-1.本で勉強する

「専門性の高い知識」を学ぶのに適した方法の1つです。

 

いっぽう、「食育全般についての広い知識」を学ぶのにはあまり適していません。

というのは、市販されている書籍のなかで「食育全般についての広い知識」を解説している本は非常に少ないからです。

それよりもむしろ、

  • 食育白書
  • 食育に関する協会が食育講師育成用に作成しているテキスト

を読むほうが、「食育全般についての広い知識」を得やすいと思われます。

 

3-2.講座やセミナーで勉強する

食に関する講座やセミナーは各地でさまざまな主催者によって開かれています。

そのなかから適切なものを選んで受講するとよいでしょう。

 

ただし、自治体が開催する一般向けの食育講座のように、食のことをほとんど何も知らない人を対象とした講座は、講師になろうという人が受講するには初歩的すぎます。

 

反対に、

  • 農業系の大学、栄養系の大学などが開催する市民講座
  • 食の協会などが開催する専門性の高い講座

などは、お勧めです。

学術畑の人や、食業界の人と知り合う機会にもなります。

 

3-3.その分野で仕事をする

気軽な方法ではありませんが、「専門性の高い知識」を学ぶのに適した方法の1つです。

  • 食品会社に勤める
  • 料理教室のアシスタントをする
  • 農業に関わる
  • 食の協会などのスタッフになる

などのパターンがあります。


4.食育講師の活動

食育講師としての活動には

  • みずから講座を主催する食育講師
  • 別の主催者が行う食育講座に招聘されて教壇に立つ食育講師

という2種類があります。

 

4-1.みずから主催する

オリジナルのテキストを準備し、必要に応じて会場を予約し、みずから受講者を募集します。

受講者集めを自分でしなくてはなりませんが、その代わり、自由度の高いやり方です。

 

4-2.講師に招聘される

  • 自治体が主催する食育講座に講師として呼ばれる(おもに狭義の食育:幅広い知識が求められる)
  • 食の協会が主催する食の講座に講師として登壇する(おもに広義の食育:専門的な知識が求められる)

といった形式です。

自由度は比較的低いですが、受講者集めからは解放されるやり方です。

 


5.まとめ

 食育には「狭義の食育」と「広義の食育」があり、それに応じて「狭義の食育講師」と「広義の食育講師」が存在します。

「狭義の食育講師」が持つべき知識は、栄養・農業(や漁業など)・料理・食文化に関する広い知識です。

「広義の食育講師」に必要な知識は、専門分野に関する深い知識です。

 それらの知識は、「本を読む」「講座やセミナーを受講する」「食の仕事に携わる」などの方法で身につけます。

食育講師としての活動には、みずから講座を開く、別の主催者が開く講座に講師として登壇する、という2種類があります。

 

(※)学校現場で行われる食育講座(食育の授業)には、「外部の食育講師を招聘して行われるもの」のほか、「教員が食の勉強をして食育の授業を行うもの」「栄養教諭が担当するもの」があります。

 


(合格者全員に進呈)

「食育活動スタートアップガイド(PDF)」