
「旅行」というテーマで食育活動を考えてみましょう。
- 旅行先で得られる体験は、忘れがたいものであること
- 食は旅行の楽しみの1つであること
この2点を切り口に、食育活動を考えてみるのです。
ここではそれを
「食育ツーリズム」
と呼ぶことにしましょう。
<目次>
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1.食育ツーリズムとは
ここでは食育ツーリズムを、
「食育についての理解が深まるように設計された旅行(旅行商品)」
と定義することにします。
ただし「食育」は幅の広い概念ですので、単に「食育についての理解が深まる」といっても、パターンはさまざまなものがあります。
(例)
- 旅先で現地の食文化を学ぶ
- 旅先で健康な食事を楽しむ
- 旅先で生産者と交流する
など。
「食育ツーリズム」は、このあと述べる「ヘルスツーリズム」「アグリツーリズム」「グルメツーリズム」「カリナリーツーリズム」とは同じではありません。
しかし共通している点も多く、その関係はおおよそ以下の図のようになります。

2.ヘルスツーリズム
旅行と健康サービスを組み合わせたものを「ヘルスツーリズム」といいます。
今回取り上げた「〇〇ツーリズム」の中ではもっとも古くから存在しているものです。
ヘルスツーリズムの例:
- 旅行先でファスティング(断食)をする
- 旅行先で健康診断を受ける
- 旅行先でウォーキングをする
- 旅行先の医療機関で治療を受ける
多くの場合、ヘルスツーリズムは健康に配慮した食事とセットになっています。
3.アグリツーリズム
旅行先で農業体験をするものを「アグリツーリズム」といいます。
「グリーンツーリズム」と呼ばれることもあります。
多くは、生産者の家に宿泊(農泊)し、数日にわたって農業体験をします。
- 旅行者と生産者との人的交流
- 農泊で出される農家のご馳走
- 農村の自然景観
などがアグリツーリズムの楽しみとなります。
なお、旅先で漁業体験をすることは「ブルーツーリズム」といいます。
4.グルメツーリズム
旅行先で本格的に食事を楽しむことを「グルメツーリズム」といいます。
- 旅先の有名レストランのシェフと交流しながら食事を楽しむ
- 旅先の酒蔵を訪問し、付設のレストランで食事を楽しむ
- 旅先のワイナリーを訪問し、付設のレストランで食事を楽しむ(「ワインツーリズム」とも言う)
など、「単に旅先でおいしいものを食べる」だけではない要素が加わっています。
5.カリナリーツーリズム
カリナリーツーリズムとグルメツーリズムを同一に扱う場合もありますが、ここでは
「旅行先で料理体験をする(料理教室に参加する)こと」
を「カリナリーツーリズム」と呼ぶことにします。
訪日外国人が増え「インバウンド消費」という言葉も生まれている昨今、外国人旅行者に日本食に親しんでもらおうと、外国人向けの料理教室が増えています。
- ラーメン
- 寿司
- うどん
- 餃子
- 和菓子
などがそうした料理教室での人気のテーマになっています。
6.まとめ
「食育についての理解が深まるように設計された旅行(旅行商品)」を「食育ツーリズム」と言います。
食育ツーリズムと似たものに
- ヘルスツーリズム
- アグリツーリズム
- グルメツーリズム
- カリナリーツーリズム
などがあります。
- 検定試験を受けるのにメールアドレスの登録などは必要ありません。
- 合格者全員に進呈:「食育活動スタートアップガイド(PDF)」