食育活動のトレンド

「食品のトレンド」

「料理のトレンド」

に関する記事や考察はネット上にも数多く掲載されています。

いっぽうで、

「食育のトレンド」

に関する記事や考察を見かけることはほとんどありません。

 

ですが、ものごとにはすべからくトレンドがあります。

むろん「食育」にもトレンドがあります。

今回は、食育活動のトレンドについて解説します。

 

<目次>

  1. 「食育のトレンド」に関する記事や考察が少ない理由
  2. 従来の食育活動
  3. 最大の変化
  4. 今後の食育活動
  5. まとめ

 


1.「食育のトレンド」に関する記事や考察が少ない理由

食品や料理のトレンドは、

  • 食品売場を見てみる
  • 飲食店に行ってみる
  • テレビのグルメ番組を見る

などの方法で日常的に変化を実感することができます。

そのため、記事や考察を作りやすいといえます。

 

食育のトレンドは、

  • 日常的に変化を感じる場面が少ない
  • 食品や料理のトレンドに比べ、変化がゆっくりしている

といった理由で、記事や考察を作りにくいと考えられます。

 

しかし、動きがゆっくりしている「食育のトレンド」といえども、10年前と今の食育を比べてみると、やはり大きく変化しているのが感じられます。


2.従来の食育活動

  • いまでは当然のように思われていることが、過去にはそうでなかった
  • いまでは重視されていることが、以前は軽視または無視されていた

といった例はいくつもあります。

 

食育に関連した例をあげると

  • 「食と健康には密接な関係がある」という考えは今では当然とされていますが、過去にはあまり理解されていませんでした。
  • 「地元で作られたものを地元で食べよう」という考え方は今ではとりたてて珍しくもありませんが、以前は聞きなれない意見でした。
  • いまでこそ「農業に興味を持つ」人はそれなりに増えていますが、かつて日本が工業国として経済発展を進めていたころは農業が話題になることはあまりありませんでした。

そもそも「食育」という言葉じたい、さほど知られていませんでした。

 

そうした背景のもと、従来は

「食と健康には密接な関係がある」

「地元で作られたものを地元で食べよう」

「農業の将来を心配しよう」

といったことを伝えることが食育活動であるとされていました。

 


3.最大の変化

10年前の状況は食育基本法ができてから日が浅く、食育という言葉も認知されていませんでした。

したがって食育活動は

「食育とは何か」

を説明するとことから始まっていました。

 

しかし10年たった現在は

「食育とは何か」

の説明を求められることはほとんどありません。

じっさいにどこまで食育を理解しているかという「程度の違い」はあれ、食育という単語そのものはほぼすべての人が知っているはずです。

 

つまり今後は

「食育とは何か」

については、もはや面倒な説明をしなくてよいのです。

 

ITの世界でいうと

「パソコンを売るのにインターネットとは何かを説明しなくてもよい」

「スマホを売るのにアプリとは何かを説明しなくてもよい」

というのとよく似ています。

 

同様に

「食と健康には密接な関係がある」

「地元で作られたものを地元で食べよう」

「農業の将来を心配しよう」

についても、あらためて説明する必要がなくなってきています。


4.今後の食育活動

今後の食育活動は

「食育とは何かについては説明しなくてよい、もう知っているから」

という社会環境を前提としたものになっていくはずです(※)。

 

これは発想を広げるよいチャンスです。

次の段階に進む時期が来ている、ということでもあるでしょう。

 

食育とは何か、についての基本的な知識はすでに定着していると考えられるので、それを土台に新しい食育活動(食育の活動モデル)をどんどん生み出すことが、これからの食育活動を担う「食育イノベーター」の使命です。

 

では具体的にどうしていけばよいのか。

これには正解はありません。

いろいろな仮説をたて、試行錯誤を繰り返すしかありません。

それをいかに楽しみ、面白くやっていけるかが大切ですね。

 

食育総研も、このサイトの中で発想のヒントや事例を提供していきます。


5.まとめ

動きがゆっくりしている「食育のトレンド」ですが、10年単位でみると大きく変化しているのが分かります。

最大の変化は、「食育」についての認知度が上がったことです。

これにより、今後の食育活動は「食育とは何か、についての基本的な知識はすでに定着している」前提で、展開されていくでしょう。

 

 

(※)同様に、いくつかの食育関連用語についても周知が進んでいます。たとえば「地産地消とは何か」を問われることも最近はほとんどありません。